災害時には、掛かり付け病院の電子カルテシステムに十分な電力が供給できなくなると(長期停電による非常電源設備のダウン等)、薬剤は入院患者最優先に処方されることが想定されます。したがって、外来等への薬剤供給が一時的にとまる可能性があります。
入院していない患者さんであっても最優先される薬剤として、心疾患関連薬(抗凝固剤)、糖尿病薬、抗高血圧薬(降圧剤) などがあります。これらは途切れると、即、命にかかわる場合もあります。災害時に病院から処方箋が出たとしても、調剤薬局の在庫が枯渇します。そのため、薬はちょっと余分にあれば安心ですが、現行の医療制度では必要な分だけしか処方されません。1週間程度、薬がもてばなんとかあるかもしれません。製薬会社のストックから供給がなされなくなった場合、必要な薬剤は隣接県や遠方から送ってもらう必要が出てきます。
上記の薬剤を日常的に服用されている方は、少なくともお薬手帳を常備しておけば、近くの薬剤師がそれをもとになんとかしてくれると考えます。日頃から、お薬手帳は大事に所持されることが強く望まれます。緊急時処方の根拠となります。